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外壁打診調査の方法と費用

目視・打診・ドローン赤外線の使い分けと費用を解説

「外壁のタイルが浮いていないか」「ひび割れが進んでいないか」——オフィスビルを所有・管理するうえで、外壁の劣化は見過ごせない問題です。

外壁の劣化は、美観を損なうだけでなく、タイルやモルタルなどの外装材の剥離・落下につながることがあります。特に、人通りが多く、隣接する建物との距離も近い都心部では、歩行者や近隣への安全面にも配慮し、外壁の状態を適切に把握することが重要です。

一方、外壁の調査には目視、打診、ドローンを用いた赤外線調査など複数の方法があり、建物の高さや形状、外装材、周辺環境によって適した手法は異なります。調査範囲や高所へのアクセス方法によって費用も変わるため、「どの調査方法が自分のビルに合うのか」「費用はどのくらいかかるのか」と判断に迷う方も少なくありません。

この記事では、外壁打診調査の目的をはじめ、目視・打診・ドローン赤外線という3つの調査手法の特徴と使い分け、費用を左右する主な条件について、東京都心の中小オフィスビルに多い立地条件も踏まえてわかりやすく解説します。

茂木 健一(もぎ けんいち)

記事監修者

茂木 健一(もぎ けんいち)

SFビルメンテナンス株式会社 専務取締役

東京都心の中小オフィスビル*1を対象に、ビルの総合管理から漏水調査・外壁打診調査・大規模修繕まで、建物の維持保全を担う。ビルオーナー向けに長期修繕計画や設備の更新判断をテーマとしたセミナー講師も務め、建物の劣化診断と修繕計画に長く携わっている。

外壁のひび割れ・タイルの浮きが気になる方へ

外壁の劣化は、外観だけでは状態を判断できないことがあります。気になる症状が見られた段階で、まずは建物の状態と必要な調査範囲を確認しておくことが大切です。

※ 秘密厳守・営業の押し売りは一切ありません/東京23区・横浜市・川崎市を中心に対応しています

外壁打診調査とは — 目的と、放置した場合に起こりうること

外壁打診調査とは、テストハンマーなどで外壁を軽く叩き、その打音の違いから、タイルやモルタルの浮きの有無や範囲を確認する調査です。

タイルと張付け材の間や、モルタルと下地の間などに隙間が生じると、健全な部分とは打音が異なります。打診調査では、この音の違いを確認することで、外から見ただけでは判別しにくい内部の浮きを把握します。

一方、ひび割れや欠損、変色、シーリングの劣化など、表面に現れる異常については、主に目視調査で確認します。そのため、外壁の状態を調べる際は、打診だけでなく、目視などの調査方法を組み合わせるのが一般的です。

外壁の浮きや剥離は、表面に目立った異常がない状態でも、外装材の裏側で進行していることがあります。そのまま劣化が進むと、タイルやモルタルなどの外装材が剥離・落下し、歩行者や近隣の建物に影響を及ぼすおそれがあります。

特に、人通りが多く、隣接する建物との距離も近い都心部では、万が一落下した場合の影響も考慮し、外壁の状態を適切に把握しておくことが重要です。

定期的に外壁の状態を確認し、劣化を早期に把握することで、危険箇所への応急措置や補修計画を立てやすくなります。劣化が広がる前に対応できれば、補修範囲や工事による建物利用への影響を抑えられる可能性もあります。

外壁調査を検討するタイミング

外壁の劣化が表れる時期は、外装材の種類や施工方法、建物の立地、日射・風雨の影響などによって異なります。そのため、築年数だけで調査や改修の時期を判断することはできません。

一方、建築基準法第12条に基づく定期報告の対象となる建築物では、タイル、石張り、モルタルなどの外壁について、手の届く範囲の打診や目視調査に加え、異常が確認された場合や、竣工・外壁改修などから一定期間が経過した時期に、全面打診等が必要となる場合があります。対象や報告時期は、建物の用途・規模と所管する特定行政庁によって異なります。

当社では、築年数だけで判断するのではなく、次のような兆候が見られた場合には、早めの確認をおすすめしています。

  • タイルやモルタルにひび割れ・欠けがある
  • シーリングにひび割れや剥離がある
  • 外壁に膨らみや浮きが疑われる
  • 過去に外壁の落下や補修履歴がある
  • 大規模な地震や強い衝撃を受けた
  • 竣工または前回の外壁改修から長期間が経過している

目視・打診・ドローン赤外線 — 3つの手法と使い分け

目視調査

外壁のひび割れ、欠損、変色、汚れ、シーリングの劣化など、表面に現れている異常を確認する基本的な調査です。

双眼鏡や高倍率カメラなどを使用して高所を確認することもありますが、目視だけでは、外装材と下地の間に生じた浮きを判断することは難しいため、必要に応じて打診や赤外線調査を組み合わせます。

打診調査

テストハンマーなどで外壁を軽く叩き、打音の違いからタイルやモルタルの浮き・剥離を確認する方法です。

調査者が外壁を直接確認できる点が強みですが、高所を調査する場合は、足場、高所作業車、ゴンドラなどの作業方法を検討する必要があります。そのため、建物の高さや形状、道路・敷地の条件によって、費用や工期が大きく変わります。

ドローンによる赤外線調査

赤外線カメラを搭載したドローンで外壁を撮影し、健全部と浮きが疑われる部分の表面温度差を分析する方法です。

高所や広い外壁面を非接触で調査できる一方、天候、風速、日射、外壁材の種類、撮影角度、建物との距離、周辺建物からの反射熱などの影響を受けます。また、軒裏や入隅、出隅など、赤外線調査に適さない部分もあります。国土交通省のガイドラインでは、事前に同一部位で打診と赤外線調査を行い、検出が難しい部分は打診に切り替えることも示されています。

ドローンを使用する場合は、赤外線調査の適用条件だけでなく、建物との離隔、障害物、電波環境、飛行の安全性なども確認する必要があります。

国土交通省のガイドライン https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001474154.pdf

一つの手法ですべての劣化を確認できるわけではありません。

まず目視で建物全体の状態を確認し、浮きが疑われる箇所を打診する、広い外壁面には赤外線調査を活用し、判定が難しい部分を打診で補うなど、建物の条件と調査目的に応じて方法を組み合わせます。

東京都心のビルでは、隣接建物との距離、歩道や道路の幅、ドローンの飛行可否、高所作業車や足場の設置可否などによって、採用できる方法が変わります。現地条件を確認したうえで、調査範囲と方法を設計することが重要です。

外壁調査の費用を左右する主な条件

外壁調査の費用は、単純な面積だけでなく、調査の目的や作業条件によって大きく変わります。

主な要因は次のとおりです。

  • 建物の高さと外壁面積
  • タイル、モルタル、塗装などの仕上げ材
  • 調査範囲が部分調査か全面調査か
  • 足場、高所作業車などの必要性
  • ドローンの飛行可否と安全管理
  • 道路使用、交通誘導、歩行者対策の有無
  • 調査結果図、写真、報告書の作成範囲
  • 法定の定期報告に使用する調査か、任意の劣化診断か

そのため、まず建物の図面や外観、調査目的を確認し、必要に応じて現地調査を行ったうえでお見積りします。

法令に基づく外壁調査が必要な場合

建物の用途や規模によっては、建築基準法第12条に基づく特定建築物の定期調査・報告が必要です。

定期報告の対象となる建物や報告時期は、建物の用途・規模と所管する特定行政庁によって異なります。東京都内の事務所についても、一律にすべての建物が対象になるわけではなく、階数、床面積、用途などを確認する必要があります。

タイル、石張り、モルタルなどの外壁では、所定の調査時期や条件に応じて、全面打診または打診と同等以上の精度を有する赤外線調査などが必要になる場合があります。赤外線調査を法定調査として用いる場合は、国土交通省のガイドラインに沿った適用条件、実施体制、調査計画、打診との併用確認、報告書の作成などが求められます。

ご自身の建物が対象になるか分からない場合は、所管する区役所などの特定行政庁、または建築士・特定建築物調査員へ確認することが必要です。

費用や調査範囲を具体的に知りたい方へ

建物の規模や状態によって、適した調査方法と費用は変わります。まずは現地の状況からご相談ください。

※ 秘密厳守・営業の押し売りは一切ありません/東京23区・横浜市・川崎市を中心に対応しています

東京都心の中小オフィスビルでの外壁調査

東京都心の中小オフィスビルでは、隣接建物との距離が近く、敷地や前面道路に十分な作業スペースを確保しにくいケースがあります。

そのため、調査方法を選ぶ際には、外壁の状態だけでなく、足場や高所作業車の設置可否、道路・歩道の使用、テナントの営業時間、近隣建物への配慮、ドローンの飛行環境なども確認する必要があります。

SFビルメンテナンスでは、東京都心の中小オフィスビルを管理してきた経験をもとに、建物の形状や立地、利用状況に応じて調査方法をご提案します。

また、日常の建物管理から外壁の調査、補修計画、改修工事までを同じ窓口で整理することで、調査結果をその後の修繕にスムーズにつなげます。

まとめ|調査方法は、建物の状態と立地に合わせて選ぶ

タイルやモルタルの浮きなど、外観だけでは判断しにくい外壁の劣化もあります。放置すると外装材の剥離や落下につながるおそれがあるため、症状が見られた場合や、前回の調査・改修から期間が経過している場合は、外壁の状態を確認することが大切です。

外壁調査には、目視、打診、赤外線などの方法があります。どれか一つが常に優れているわけではなく、外壁材、建物の高さや形状、周辺環境、調査目的に応じて使い分けます。

特に東京都心の中小オフィスビルでは、隣接建物や道路、歩行者、テナント営業などへの配慮を含めた調査計画が必要です。

外壁のひび割れやタイルの浮き、補修時期が気になる場合は、まず建物の現状と必要な調査範囲を整理するところからご相談ください。

外壁打診調査のご相談はSFビルメンテナンスへ

目視・打診・ドローン赤外線を使い分け、東京都心の中小オフィスビルに合わせた外壁調査をご提案します。調査で見つかった不具合の補修まで、一貫してご相談いただけます。

  • ※ 秘密厳守・営業の押し売りは一切ありません
  • ※ 東京23区・横浜市・川崎市を中心に対応しています
SFビルメンテナンス株式会社

この記事について

SFビルメンテナンス編集部

1979年の設立以来、東京都心の中小オフィスビル*1を対象に、ビル総合管理・清掃・漏水調査・外壁打診調査・修繕工事を手がけています。本記事は、当社の現場での実務と施工記録をもとに編集部が執筆しました。

※ 監修者情報は記事冒頭に記載