天井や壁に染みができた、雨の日に水が垂れてくる——ビルを所有・管理していると、こうした漏水・雨漏りのトラブルは避けて通れません。やっかいなのは、水が出てくる場所と、実際に水が入り込んでいる場所が一致しないことが多い点です。原因の見立てを誤ったまま補修を進めると、症状がぶり返し、費用も時間も余計にかかってしまいます。
この記事では、ビルで漏水・雨漏りが起こる仕組みと、原因を特定するまでの流れ、調査方法(散水調査と当社独自の色水試験)の違いと使い分け、費用の目安までをわかりやすく解説します。東京都心の中小オフィスビルを長年管理してきたSFビルメンテナンスの視点からお伝えします。
記事監修者
茂木 健一(もぎ けんいち)
SFビルメンテナンス株式会社 専務取締役
東京都心の中小オフィスビル*1を対象に、ビルの総合管理から漏水調査・外壁打診調査・大規模修繕まで、建物の維持保全を担う。ビルオーナー向けに長期修繕計画や設備の更新判断をテーマとしたセミナー講師も務め、建物の劣化診断と修繕計画に長く携わっている。
※ 秘密厳守・営業の押し売りは一切ありません/東京23区・横浜市・川崎市を中心に対応しています
ビルの漏水・雨漏りはなぜ起きるのか
漏水・雨漏りの主な発生源
ビルの漏水・雨漏りは、原因となる箇所が一つとは限りません。代表的な発生源としては、屋上やバルコニーの防水層の劣化、外壁のひび割れやタイルの浮き、サッシまわりのシーリング(目地)の劣化、そして建物内部を通る給排水管の老朽化などが挙げられます。
これらは単独で起きることもあれば、複数の要因が重なって症状を悪化させることもあります。さらに水は、入り込んだ場所から離れたところへ伝って移動する性質があります。そのため、室内に現れた染みの真上に原因があるとは限らず、見た目だけで原因を断定するのは難しいのが実情です。

給排水管は「建物の血管」
漏水の原因として見落とされやすいのが、給排水管の劣化です。給排水管は建物のすみずみへ水を届け、使った水を排出する、いわば「建物の血管」にあたる設備です。一般に、給排水管は20〜30年ほどで、腐食や詰まり、接続部のゆるみといった不具合が現れやすくなるとされています。
血管に例えると、詰まりや破損は身体にとって重大なトラブルにあたります。表からは見えにくいぶん、気づいたときには周囲へ被害が広がっているケースも少なくないようです。築20年を超えるビルで原因のわからない漏水が続く場合は、給排水管の状態もあわせて確認することをおすすめします。
漏水調査の流れ — 原因を特定するまで
漏水調査は、すぐに補修を始めるのではなく、まず原因を突き止めることから始まります。一般的な流れは次のとおりです。
- お問い合わせ・ヒアリング:症状が出ている場所・時期、雨との関係などをうかがいます。
- 現地調査:漏水の状況や建物の構造、過去の補修履歴を確認し、疑わしい箇所の仮説を立てます。
- 調査の実施:散水調査や色水試験などの方法で、立てた仮説が正しいかどうかを検証します。
- 報告・ご提案:原因と推奨する改修方法を報告書にまとめ、お見積りとあわせてご提案します。
原因特定を省いて補修だけを急ぐと、症状が再発しやすくなります。遠回りに見えても、調査で原因を絞り込むことが、結果的に費用と時間の節約につながります。

漏水調査の主な方法と使い分け
漏水調査にはいくつかの方法があり、建物の状況や疑われる原因に応じて使い分けます。一つの手法に頼るのではなく、状況に合わせて適切な方法を選べることが、原因特定の精度を左右します。
散水調査
散水調査は、疑わしい箇所に水をかけ、室内側で漏水が再現されるかを確認する方法です。雨を再現するように、外壁・サッシ・屋上などへ順序立てて散水し、どこから水が入っているのかを切り分けていきます。雨漏りの再現性を確かめやすく、外部からの浸入経路を特定したい場合に適しています。
色水試験(当社独自の手法)
色水試験は、着色した水を疑わしい経路に流し、その水がどこへ到達するかを目視で追跡する方法です。水に色がついているため動きを目で追いやすく、給排水管まわりなど複数の経路が考えられる場合に、原因を絞り込みやすいという特徴があります。
当社では、こうした手法を建物の状況に応じて組み合わせ、原因の特定にあたっています。
調査方法の選び方
どの方法が適しているかは、症状の出方や建物の構造によって変わります。外部からの浸入が疑われる場合は散水調査、給排水管など内部の経路が疑われる場合は色水試験、というように状況を見極めて選ぶことが大切です。実際には複数の方法を組み合わせ、段階的に原因を絞り込んでいくこともあります。
漏水調査・建物診断の費用の目安
費用は気になるところだと思います。調査の範囲や建物の規模、必要な調査方法によって変わりますが、現地調査からレポート提出、修繕計画の策定まで含めた建物の調査・診断は、建物の状況をうかがったうえでお見積りいたします。
原因がはっきりしないまま補修を繰り返すと、かえって総額がかさむことがあります。まずは適切な調査で原因を特定し、必要な工事の範囲を見極めることが、結果として無駄な出費を抑えることにつながります。
費用が気になる段階でも、まずはご相談ください
「そもそも調査すべきか」「どの方法が向くか」の見極めからご案内します。
※ 秘密厳守・営業の押し売りは一切ありません/東京23区・横浜市・川崎市を中心に対応しています
東京都心のビルだからこそ、スピードと一貫対応を
漏水・雨漏りは、放置すると被害が広がりやすいトラブルです。だからこそ、気づいたときにすぐ動ける体制が重要になります。
SFビルメンテナンスは、緊急のご依頼にもスピーディーに対応できる体制を整えています。調査で原因を特定したあとは、補修・改修まで一貫してご相談いただけます。
また、東京都心の中小オフィスビル*1を長年にわたり管理してきた経験から、この地域の建物で起きやすいトラブルの傾向を踏まえたご提案が可能です。1979年の設立以来、長年にわたり積み重ねてきた現場の知見を、原因の見立てと改修計画に活かします。
まとめ
漏水・雨漏りは、症状の場所と原因の場所が一致しないことが多く、見た目だけで原因を判断するのは簡単ではありません。だからこそ、補修を急ぐ前に、散水調査や色水試験といった方法で原因を特定することが大切です。原因がわかれば、必要な工事の範囲も費用の見通しも立てやすくなります。
天井や壁の染み、原因のわからない漏水でお困りの際は、早めにご相談ください。被害が広がる前に手を打つことが、建物の資産価値を守ることにつながります。
雨漏り・漏水でお困りの方へ
原因のわからない漏水は、放置するほど対処が難しくなります。SFビルメンテナンスは、現地調査から原因の特定・補修まで一貫してサポートします。
- ※ 秘密厳守・営業の押し売りは一切ありません
- ※ 東京23区・横浜市・川崎市を中心に対応しています
漏水調査の詳しい内容は、サービスページ「漏水調査」もあわせてご覧ください。
SFビルメンテナンス編集部
1979年の設立以来、東京都心の中小オフィスビル*1を対象に、ビル総合管理・清掃・漏水調査・外壁打診調査・修繕工事を手がけています。本記事は、当社の現場での実務と施工記録をもとに編集部が執筆しました。
※ 監修者情報は記事冒頭に記載